モーゲージの「ストレステスト」について知ろう
カナダでよく取り上げられる「ストレステスト」という言葉について、日本人には馴染みが少ないかもしれません。また、日本人以外の方でも、「テスト」と聞くと採点されるテストを行うことを連想する方も多いのが事実です。
そこで、今回は「ストレステスト」について、ストレステストとは何か、ストレステストの仕組みなどについて、詳しく説明していきたいと思います。
ストレステストとは何か?
ストレステストは、金利が上昇したり下がったりした場合に、借り手が住宅ローンの毎月の支払いを継続できる能力を検討します。
これは、金融監督庁(OSFI)によって2018年より実施され、金融市場の予測できない状況において、借り手の債務不履行リスクを軽減し、適切な借入を促進するために導入されました。
さらに、ストレステストは新しい住宅購入やモーゲージの借り換え、リファイナンス、クレジットラインの利用など、さまざまなシナリオに適用される重要な評価ツールです。
ストレステストの仕組みは?
ストレステストは、急激な金利上昇や経済の急拡大から借り手を守るメカニズムです。このテストでは、必要なモーゲージの総額、現在の金利、世帯の収入、住宅関連の費用、現在の債務状況などの要因が考慮されます。 金融機関はこれらの要因に基づいて、通常次の2つの異なる計算を行います。
最初の計算は、GDS(Gross Debt Service)とよばれ、収入に対して、モーゲージの支払い、固定資産税、住宅関連の費用に充てる割合を計算するものです。通常、この割合は39%以下が望ましく、住宅ローン保険付きのモーゲージの場合は、必ず39%以下である必要があります。
2つ目の計算は、TDS ( Total Debt Service) とよばれ、GDSからさらに、個人の未払いの個人債務(ローンなど)を考慮に入れます。この割合は、44%以下が望ましく、住宅ローン保険付きのモーゲージの場合は、必ず44%以下である必要があります。
そして、この2つの計算のポイントは、借入金利+2%、もしくはカナダ中央銀行が設定するベンチマークの金利 (2023年8月現在) 5.25%、どちらか高い方が適用されます。例えば、借入金利が4%の場合、2%上乗せした6%で計算し、将来の金利上昇を想定して試算します。
もしストレステストに合格しなかったら?
ストレステストは、モーゲージの返済能力を試すシミュレーションであり、合格点や不合格点はありません。しかし、GDS/TDSの割合が高すぎると、融資額が制限されることがあります。
もし、借入可能金額を増やしたい場合は、以下のような方法があります。
‐ 頭金を増やす
‐ 他のローンなどの債務を可能な限り返済する
‐ モーゲージのco-signer (共同購入)を検討する
‐ 収入を上げる、副業などの収入も少なくても確定申告をする
などなど、様々な角度からの改善策があります。
個々の状況に応じて、ストレステストやモーゲージの融資額などについてアドバイスやサポートを行っています。ぜひお気軽にご相談ください
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