離婚をする場合、モーゲージはどうなるの?
モーゲージの返済中、思いがけず離婚するケースは少なくはありません。
万が一の時のために、このような状況も知っておくことが大切です。
よくあるケース
片方の配偶者が持ち家に住み続けることを望む場合、もう一方の持ち分を買い取る必要があります。
現在、住宅の価値の最大80%までしか借り換え(リファイナンス)ができません。このため、残りの20%の持ち分は買い取りに使用できず、住宅の売却が余儀なくされています。
これを解決するために、カナダ住宅金融公庫(CMHC)は、住宅価値の最大95%までの「配偶者買い取り( spousal buyout program)」を認めています。この取引は「購入」として扱われ、持ち家に残る配偶者が購入者となります。
配偶者の買い取りオプション①
従来の方法で借り換えを行う(住宅の価値の最大80%まで)。
一方の配偶者が従来の方法で住宅を借り換えることができます。この際、この配偶者は自分の収入だけでモーゲージやその他の負債を支払う能力が必要です。
配偶者の買い取りオプション②
CMHCの「配偶者買い取りプログラム」を利用して借り換えを行う。
住宅価値の最大95%まで借り換えを行うことができます。
CMHCの配偶者買い取りプログラムでは、持ち分は配偶者への支払いにのみ使用され、他の債務や違約金には使用できません。
借り替えが物件価値の80%を超える場合、CMHCの保険料が必要になります。
ただし、元のモーゲージにすでにCMHCの保険が付帯されている場合、追加の保険料は少額で済むことがあります。
購入した当初、CMHCの保険に入っていなかった場合は、全額の保険料が適用されます。
CMHCの「配偶者買い取りプログラム」の利用条件
買い取りは裁判所命令である必要があります。
ご自身、もしくは共同署名者や保証人と共にモーゲージの審査に通る必要があります。
物件は本宅でなければならず、ご自身と元配偶者の双方が所有者として名義に登録されている必要があります。
CMHCの「配偶者買い取りプログラム」を利用するメリット
それぞれの離婚状況は異なるため、必ずしもCMHCの配偶者買い取りプログラムに適格とは限りませんが、次のような多くの利点があります。
自宅に住み続けることができる。
より良いモーゲージの条件を得られる可能性がある。
資産分割が簡素化される。
必要書類
モーゲージの承認時には、収入証明やその他の標準条件に加えて、以下の書類が必要です。
離婚/別居合意書:モーゲージの承認が完了する前に、資産の分割を明記した法的合意書が必要です。これにより、貸し手と借り手(買い取る側)が、離婚する配偶者から資産に対して請求されるリスクを防ぐことができます。
扶養費の証明:子どもや配偶者への扶養費があり、これが収入としてモーゲージの審査に必要な場合は、さらに書類が必要です。扶養費の金額は、離婚/別居合意書に明記されており、支払いが毎月同じ日に同額で3か月以上連続して行われていることを証明するための銀行取引明細書が必要になります。
配偶者間の住宅売買契約(配偶者買い取りの場合)
不動産査定証明書:配偶者買い取りの場合、必ず不動産査定が必要です。この取引は第三者間の取引ではないため、貸し手またはCMHCが評価を依頼し、物件の市場価値を確認します。借り換えの場合、貸付比率によっては評価が免除されることもあります。
離婚手続きは、モーゲージ以外においても、多大なる書類や話し合いが必要となり、ストレスもはかり知れません。
プロに任せることができる案件に関しては相談してみるのもひとつのアイデアです。
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